等級検査が始まりました。
2020年産越淡麗の稲刈りが無事に終わると、等級検査を受けてから酒造りが始まります。
10月8日午前8時、一般社団法人日本穀物検定協会の検査官をお迎えして等級検査が始まりました。
弊社は国から特別検査場の許可を受けていますので、自社精米所で等級検査を受けることができます。ほぼ全量自社栽培で酒造りをしているため、こうしたことが可能になりました。
今年は9月上旬の台風でフェーン現象が起きましたが、越淡麗はその影響が軽微で「特等米」の格付けを獲得しました。
2014年以来の快挙です。新潟県内でも2020年越淡麗の特等米は弊社のみの獲得で、特別なヴィンテージになります。
等級検査を経て、精米が始まります。
精米プラントは、1992年にコンピューター制御の全自動精米機を導入して、スタッフの作業負担軽減と品質向上を実現しました。
今なおこのシステムを超えるものはなく、オペレーティングシステムの完成度の高さを実感しています。
その「等級」について簡単に説明します。
毎年、出来上がったお米に対して等級検査が行われ、以下のように格付けされます。
- 特上(整粒歩合が90%~)
- 特等(整粒歩合が80%~)
- 1等(整粒歩合が70%~)
- 2等(整粒歩合が60%~)
- 3等(整粒歩合が45%~)
※3等以下は酒造好適米とは呼ばれません。
なお、北陸農政局管内は、特上の格付けをしない決まりになっています。
従って、新潟県では特等が最上級の格付けです。
等級を左右する整粒歩合(せいりゅうぶあい)とは、米の状態を見極める基準のひとつで、一定量の玄米のなかに存在する整粒(せいりゅう)、すなわちきちんと整った形をしている米粒の割合を%で示したものです。
整粒とは、対象とする米から、「欠け米」「割れ米」「着色米」「死米」「未熟米」「異種穀粒」などを取り除いたものです。ですので、このようなお米の割合が少なければ少ないほど、良い酒米とされています。
実際の検査では、一定量の玄米を米袋から抜き出し、白と黒のお皿(シャーレのようなもの)にとって、お米の状態を見ます。お米の割れや変色、発芽状態などを一瞬で判断していく検査は、かなりの集中力を要する重要な作業です。検査が終わると、等級が決められ、米袋に等級印のスタンプが押されます。
最後に、この等級検査によってわかる「酒米にとって重要な価値基準」は、大粒で、粒が綺麗に揃っていること、これが、後の醸造作業に大きな影響をもって、お酒の味わいに色濃く反映されてくるということを、しっかり認識しておいてください。
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