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六調子酒造株式会社
六調子酒造の特徴
貯蔵熟成
六調子酒造の造りへのこだわりは、すべての段階において、長期貯蔵熟成が前提となっていることです。
製造後すぐに出荷したいならそのような造りに、また吟醸香を出したいならそういう造りをする、それが蔵元の造りのこだわりですが、六調子酒造が追求するのは、長く寝かせれば寝かせるほど味と香りに深みを増す酒、そのための造りです。
高度な貯蔵技術
貯蔵熟成は、ただ寝かせておけばよいというものではありません。
貯蔵技術が必要です。
常圧蒸留酒は、穀物由来の油分を含んでおり、とてもデリケートです。夏場の高温にさらすのはもっての外で、油分が酸化して「油臭」が付いてしまいます。
また極度な低温になると油分が分離して澱になり、熟成のバランスを崩します。
六調子酒造の貯蔵タンクはすべて蔵の一階にあり、夏場はひんやりと涼しく、冬場は地熱の影響で極端に冷え込みません。
また、ホーロータンクを使用することで金属イオンの影響を排除し、また、樫樽や甕のように貯蔵容器の影響を借りることなく、焼酎独自の力でピュアな熟成をします。
誇るべき古酒貯蔵量
断熱加工を施した樽貯蔵室には空調設備を導入し24時間体制で温度と湿度の管理を行っており、スコットランドのハイランド地方と同じ条件を保っております。
蔵元のこだわり
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仕込み配合
仕込み配合とはいわば「モロミの設計図」と言えるでしょう。使用する麹や米の割合や添加する水の量を設定するのです。
六調子酒造では常圧蒸留の複雑な香味を出すため、複数の仕込み配合を用いますが、その中に二次仕込みのときに主原料の米に添えて本来日本酒に使用される黄麹を仕込む「添え仕込み」を取り入れているのが特長です。
黄麹は甘みを出すのに大変有効ですが、使いすぎると酒質を重くしてしまう欠点があります。
六調子酒造の長年をかけて培ってきた「添え仕込み技術」が長熟特吟に奥深い甘味を与えます。すっぽん仕込み
六調子酒造では一次仕込みと二次仕込みを同じ容器で仕込む「すっぽん仕込み」を用いております。
これにより最も大事なモロミの初期段階において、移送によるコンタミネーションを防ぎます。【六調子酒造のすっぽん仕込み】
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常圧蒸留のために開発した焼酎用の酵母を使用
六調子酒造が使用している酵母CAN-1は、熊本県産業技術センターが常圧蒸留のために開発した焼酎用の酵母です。
この酵母は、減圧蒸留全盛期に六調子酒造が常圧をメインに造っているという理由から、熊本県産業技術センターの依頼を受け、六調子酒造にて製造規模の実験を行ったもので、中〜高い温度で気化し焼酎の中に入ってくる香気成分の生成に優れ、それはやがて長期熟成により馥郁たる熟成香に変化していきます。
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旨い焼酎を造るための原料処理
日本酒の雑味を除きよい香を出す為に米を磨く造り方とは反対に、蒸留酒である焼酎は、削り取られる「米の外側」に旨味成分がある事から、この部分を「いかに残すか」が旨い焼酎を造るポイントとなります。
そこで六調子酒造が用いているのが「超音波洗米機」です。もともと醸造機器ではなく、京都の高級料亭などで飯米を洗うのに用いるもので、これを3機繋ぎ合わせた特注品です。
これで洗米することで米の表面がぬかや汚れとともに薄く剥離し、外側の栄養素は残ります。【六調子酒造の原料処理】
酒は文化であり 悠久の芸術であり 球磨焼酎は世界の銘酒である
六調子酒造は球磨盆地の中心、錦町という霧深い里にあり、たわわに実った米と清冽な球磨川水系の地下水を原料に500年の歴史と伝統の技術を継承する蔵元です。
数ある球磨焼酎の蔵中でも特に常圧蒸留の貯蔵熟成を主力にしており、貯蔵技術の研鑽に力を注いでいます。
たとえば貯蔵熟成には、年間を通じて温度の変化があまり無いことが重要で、且つ夏場の高温にさらさないために、断熱加工を施した、たる貯蔵室に空調設備を導入。24時間体制で温度管理を行う等、スコットランドの高地に似た条件を作りだしました。
そうして生まれた銘酒「六調子」
酒は文化であり、芸術。単なる致酔飲料ではありません。その品質にふさわしいラベルやボトルによって一つの完成された世界を形づくります。
主力商品の「特吟六調子」は型絵染めの第一人者であり、人間国宝の芹沢珪介氏のデザインによるラベル、古酒「心月」は熊谷守一画伯の書を用いたラベルを使用しています。
貯蔵熟成酒のすばらしい世界を多くの人に知っていただき、球磨焼酎が世界の銘酒に比肩し得る物であることを証明してまいります。