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富士高砂酒造株式会社
1830年より続く酒造り
富士高砂酒造は、全国に1300ある浅間大社の総本山「富士山本宮浅間大社」の すぐ西側にございます。山中正吉翁がこの地に酒蔵を構えたのは、 1830年(天保元年)。以来、ひと時も休むことなく、100年かけて自然の濾過を 施された富士山伏流水と、能登杜氏の伝承技術で日本酒を醸しております。
高砂の名の由来
能の中には「松は緑」を謳うものが多くあり、特に謡曲「高砂」の相生の松、 松は緑に感した初代正吉が「高砂」の銘を戴いたと言われています。 謡曲「高砂」は結婚式でよく謳われる「高砂や、こ乃浦船に帆をあげて 月もろともに…」との歌詞の船出した夫婦がいつまでも仲睦まじく老いていく 内容の謡です。創始の当時、天保年間は世相が暗く飢餓が続いた頃で 初代正吉は清めや和に使われる酒にこの意を込めました。
富士高砂酒造の特徴
高砂の酒造り
★1.精米
酒米を知り尽くした信頼のプロにお願いして高砂の目指す酒に合った精米加工をしていただいています。
★2.洗米
近年、新洗米機を2機導入し、今までの水流の遠心による洗米から空気圧を水流に加えた洗米により効率良く糠が取れ雑味の無いスッキリとした米に仕上げています。
★3.蒸米~放冷
最大600kgの酒米を蒸すことができる甑で、杜氏が酒米毎の特性や、その日の天気や気温、湿度など、あらゆる条件を考慮しながら酒造りに適した「外硬内柔」の蒸米にしていきます。
★4.酵母培養
日本酒の地となる酵母を天然培養により強い良質な菌に育てあげるのが高砂の強いこだわりです。この酵母の天然培養を行っているのは全国でもかなり少数ですが、この方法で高砂の強さ、奥深さ、繊細さを守り続けています。
★5.麹・酒母
高砂の酒母造りで最も伝統的で難しいのが山廃の酒母造りです。蔵上層にある山廃専用の酒母室は、杜氏と副杜氏以外立ち入り禁止であり、天然の菌と向き合いじっくり時間をかけて育てています。
蔵元のこだわり
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富士山と醸した酒
水清き処は酒旨し処、と言われるように、日本酒の味は水によって大きく異なります。
仕込みに使う水以外にも、米を洗い吸収させるための水や原酒に加える水など、酒造りには潤沢な天然の良水が不可欠です。富士高砂酒造では富士山伏流水を使用しております。
100年の歳月をかけ、自然の濾過を施された霊峰富士の伏流水は発酵力の弱い超軟水です。
この恵まれた天然の良水を使用することで高砂の特徴である口当たりの優しい、ほのかに甘く感じる酒質が醸し出されます。
江戸時代より富士山とともに高砂の酒は造られております。伝承技術で富士山麓の美酒へ
創業から一度も枯れることなく流れ出る富士山伏流水は高砂の酒造りには欠かすことの できない良質な水です。口当たりが優しく米の旨味が活かされた酒ができるのはこの水があってこそです。しかしこの水を使った酒造りは、技術的に非常に難しく、手間のかかる作業が必要になります。
能登杜氏より伝承されてきた技法で、なめらかで味わい深い、米の旨味を最大限に 活かした美酒造りに励んでおります。 -
伝統の山廃仕込み
当蔵に自生する微生物達、そして富士山の恵(超軟水の伏流水)とのコラボレーションによって生まれたのが「高砂山廃仕込み」です。
自蔵に生息する乳酸菌を利用して仕込む酒造技術で、長時間かけて酒母を育てます。この酒母で醸したお酒は蔵独自の風味が形成され、また原料米の旨味が生かされます。
高砂は江戸時代よりこの味と技術を伝承し、富士山伏流水と共に独自の味を研き続けています。東北・北陸地方の酸の効いた濃醇な山廃酒と比べると、当蔵の風味は大人しく優しい口当たりでほのかに甘さを感じる酒質です。米の旨味を引き出す最善の方法(酒母造り)として、この技術を大切にしています。
こうして伝承され続けている造りが2019年、「高砂 山廃純米辛口」がインターナショナル・ワイン・チャレンジで金賞、さらには静岡純米トロフィーを受賞いたしました。また同年、インターナショナル・酒・チャレンジでは「高砂 山廃純米吟醸」が金賞を受賞しました。高砂山廃が世界に認められはじめています。
酒は裏切らない = 信じて造る
現杜氏の小野杜氏が酒造りにおいて最も大事にしている信念。
これは平成18年に急逝した先代の杜氏の言葉です。山廃酒母が思い通りに進まない時、麹の品温が上がらない時、醪がキレなくなった(発酵が進まない)時、この言葉を思い出しては乗り切ってきました。「迷った時は手のかかる方を選べ」「手をかければかけるほど酒は応えてくれる」と。良質な富士山の伏流水、厳選された地元中心の酒米、この間違いのない原料と水。そして真摯な造りの姿勢さえあれば、酒はぶれません。必ず応えてくれると信じています。
仲間の蔵人達、そして自分自身を信じて、この富士の麓の地で酒を造り続けています。 -
まずは米を知ることから
造り手の顔の見えるお付き合い、これはお米でも一緒です。
稲穂の成長から望めるよう原料米は地元静岡のお米を中心に使用しています。特に「酒米の王様 山田錦」は100%富士宮産を使用しており、収穫のお手伝いに行くこともあります。こうして農家さんが大事に作ってくれたお米を磨き、きれいに洗うことから酒造りは始まります。「酒造りは毎年が1年生」という言葉があります。天候・環境・造り手、何ひとつ同じ条件で始まる酒造りはありません。
そしてお米も毎年、性質が違います。その年のお米の特徴をいち早く掴み、適切な原料処理を行うことが大切です。原料米をよく洗い、どれだけ水分を吸わせたらよいか、試験を重ねます。「一麹二酛三造り」という酒造りの工程も、全てこの原料処理に関わってきます。私たちは「まず米を知る」ことから始めています。
お酒紹介
富士高砂酒造のお酒の一部を紹介します。
蔵探訪・アクセス
〒418-0055 静岡県富士宮市宝町9-25
蔵見学
ご予約にて承っています。まずはお問い合せください。
- 所要時間:約45分 ①10:30〜 ②13:30〜 ③14:30〜 ④15:30〜
- 駐車場:自家用車5台 大型バス2台 マイクロバス2台
- 展示内容:「富士山下山仏」「酒造工程」「酒造道具類」他
- 販売店:製造販売、試飲、酒関連グッズ等
売店のご案内
富士高砂酒造の全商品はもちろん、富士高砂酒造売店でしか買えない限定グッズも多数取り揃えております。
新酒シーズンには搾りたて生酒の販売もございます。
- 営業時間:9:00~17:00(平日)/10:00~17:30(土日祝)
- 休日:1月1日、1月2日