- 日本酒
石鎚酒造株式会社
蔵元家族中心での酒造り
私どもは蔵元家族中心での酒造りです。
酒造計画等の工夫に基づき無駄のない、確実かつ丁寧な仕事をすることを信条に全員力を合わせて日本酒 「石鎚」を醸しています。平成11年に杜氏制を廃止し、この体制で今期(令和1酒造年度)で21年目を迎えております。
更なるきめ細かな酒質を目指して、一回の仕込みに使用する原料米の総米量を600~1000kgの小さな仕込みに徹し、2基の酒槽(ふね)により2日間かけてゆっくりと搾っています。
また、平成29年にPP板薮田式自動圧搾機による大型冷蔵庫内での上槽設備を新設し、衛生的かつ安定的な醸造環境となりました。
目標とする酒造りは、「食中に活きる酒造り」。蔵内のスローガンは、「石鎚を愛して頂くお客様の為に造る」です。純米酒、純米吟醸酒を中心に、3杯目から旨くなる酒を目指します。
現在では、通年商品に加え、季節商品や顧客別小ロットの商品等を充実させ、全国80店舗余りの酒販店様、お特約店様と地酒流通でのお取引とさせて頂いております。(限定流通)
受賞歴
1999年(平成11年)に、家族中心の酒造りに転換した年から、全国新酒鑑評会に出品すること20回。
うち17回は入賞以上の実績があります。
石鎚酒造の特徴
米へのこだわり
使用原料米の持つ品種特性を把握し、いかにその持ち味である特有の香味を酒に、特に純米酒に反映できるか、と考えております。麹米にはそのほとんどにおいて酒造好適米を使用します。
平成30酒造年度の使用原料米は、愛媛県産 松山三井、しずく媛(愛媛県新品種酒造好適米)、兵庫県産 山田錦、岡山県産 備前雄町・朝日、福井県産 五百万石等です。
水の特徴
私どもは、愛媛県西条市に蔵を構えております。
この西条市という町は、古くから名水の町として呼び声高く、西日本最高峰の石鎚山系より脈々と流れる水は、環境庁が主催する全国おいしい水の鑑評会にて2年連続の日本一に輝いています。
酒造りに使用するのは、蔵内にある井戸からこんこんと湧き出る清冽な仕込み水で、超軟水。出来上がった酒にみられる、澄んだ香りに、すっきりとした口当たり、ビロードのような柔らかさはこの仕込み水に由来するものと考えます。
設備について
毎年、醸造施設、醸造環境について整備をしております。
酒造着手からお客様の口に届くまでの安定した製品造りと品質管理を心懸けています。
蔵元のこだわり
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洗米・浸漬・蒸きょう
手造りの酒を念頭において、大型の仕込みでは出来ない手作業が成せる、私ども蔵元の姿勢と情熱を酒に表現したいと思っています。
原料処理においては、使用する原料米の品種特性を毎年量るデータに準じて、その年々の作柄・性質にいち早く順応するべく、細心のケアを払っての洗米・浸漬行程にあたります。
ウッドソン社のバッチ式洗米機にて連続的に10kgずつ洗米し、目標の白米吸水率を設定、データ化しながら、水温や浸漬時間の微調整を行います。(全てにおいて仕込み水での洗米・浸漬です。)
近年、重要視しております蒸きょうは、主に酒母・麹米用と掛米用の2基のアルミ製甑にて、ボイラー蒸気の間接噴射型(蒸気温度約100度、蒸気が抜けてから50分の蒸きょうです。)平均してこの甑で白米重量11~12%の水分を吸水しております。香気良くしっかりとしたさばけの良い蒸米に仕上がります。
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二つの麹室を用いた麹造り
(平成25年9月麹室を改設及び新設しました。)1号麹室、2号麹室と二つの麹室を用いて、麹造りをしています。麹造りはタライ麹法により、全量を箱麹によって突き破精型の吟醸麹が出せるよう心掛けております。
麹室への引き込みは、放冷機は通さずに蒸米のあら熱を取り、約45度位の品温にて、12kg位ずつ室へ入れ、ハクヨー社製の床用製麹機の床上で目標の種切水分量まで水分を飛散させ、調整後種切り・ねかせです。(1号、2号麹室ともロードセル設備)
翌日の盛りは全てタライに移し、仕舞仕事から箱麹に移行、出麹までじっくり時間を掛けて、醪後半まで作用するような麹を常に造り出すことを目標にしています。不出来な麹を出して後悔したくはありませんので、麹造りの姿勢としましてもどっしりと構えて、余裕を持って仕事できます。
タライ麹法は、出麹に追われることがありません。40度ラインを越えてから、しっかりと時間をとって、ふくらみのある麹にしたいと思っております。
何年か経験を経まして、再現性とやり易さ(作業性の良さ)を鑑み、現在はこのスタイルが「石鎚」の麹造りです。
この製麹行程を経て出麹するまでにおいて、原料処理の洗米から、限定吸水率、甑置き前重量、蒸し米吸水率、種麹切り前重量、盛り前重量、枯らし後出麹歩合他、計量を常として毎年の酒造りの糧としています。(1号麹室、2号麹室と2つの麹室を使い分けています。)
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酒母・醪・上槽
速醸酒母にて味が良く、優良で純粋な酵母を拡大培養の後、もろみに移行してからは、5~12度という低温で長期間発酵します。
もろみの平均日数は約30日。 無理のない発酵計画を持ってゆったりと酒になって参ります。仕込み総本数の内、年々純米酒に特化した酒造りがその大多数を占めるようになってきました。
「石鎚」の特定名称酒の製品ラインナップは、純米から純米吟醸規格のものがほとんどです。
純米造り故に、もろみ期間の設定は幾分長めにとりまして、もろみの状貌に味や香り、分析数値との相談により、適熟となっての上槽に漕ぎつけるまでゆっくりと構えます。
上槽行程では、H13BYより酒槽を復活させ、製造するもろみは、酒槽にて袋搾りとなります。また、平成29年にPP板薮田式自動圧搾機を導入し、上槽専用冷蔵庫内(庫内温度2℃)にて上槽。2基の槽と併用しながら、安定的かつ高品質な醸造環境を整備しました。
また、同時に一部の製品では、槽しぼりするものと同じもろみを袋吊りにて、雫酒として斗瓶に取り、秋口に出荷しています。同一のもろみながら「 袋吊り 」と「 槽しぼり 」の上槽工程による味わいの違いを感じて頂けます。食中に活きる酒造りを目標に、きれいで酸味のしっかりとした味わいの「石鎚」にしていきたいと考えております
蔵探訪・アクセス
〒793-0073 愛媛県西条市氷見丙402-3
蔵見学はできません。