- 焼酎
合資会社 松本酒造場
松本酒造場の特徴
球磨焼酎『萬緑』銘柄への想い
萬緑叢中紅一點(ばんりょくそうちゅうこういってん)王安石
「見渡す限りの緑の中に、
ただ一点の紅花があって美しく目立つこと」
「多くのものの中に、
ただひとつ特に優れて目立つものがあること」
この焼酎は王安石の詩文の一節をとり『萬緑』と名付けました。
萬緑にはこの言葉のような存在を目指していきたいという願いが込められています。
やさしい香り、ふくよかな味わい、さわやかな切れを
お楽しみ下さい。
代々受け継がれてきた手づくりの技に、自家培養の酵母を取り入れ、飲みあきのしない香りと味わいを目指しました。
球磨焼酎『萬緑 外伝』
《 人吉城跡酵母仕込み 》
球磨焼酎のふるさと、熊本県人吉球磨地方は、世界かんがい施設遺産に登録されている二つの水路によって潤され、江戸時代から米つくりが盛んです。貴重な米を育み、球磨焼酎が生まれる礎を築いた水路のひとつ、幸野溝を開さくしたのが相良藩士高橋政重。人吉城跡には、その徳をたたえる石碑があり、偶然にもその周辺でこの人吉城跡酵母は見つかりました。
分離したのは、熊本県出身で蔵元の恩師 東京農業大学醸造科学科の竹田正久先生。2001年に人吉城跡で天然酵母の分離を試みました。その時に見つかった酵母は研究室の中で静かに眠っていましたが、近年 蔵元の先輩 門倉利守准教授により、その中から焼酎造りに優れた酵母が見出され、目覚めの時を迎えました。
司馬遼太郎が著書「街道をゆく」で、『日本で最も豊かな隠れ里』と記した人吉球磨その風土と水が育んだ米と酵母を使い、伝統の手づくりで仕込み、人吉球磨の自然の恵みを凝縮しました。
萬緑のもうひとつの物語 『外伝』
優しい香りと味わいをお楽しみ下さい。
蔵元のこだわり
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造りへのこだわり
当蔵は、大変小さな蔵元です。球磨川の清冽な流れを生む球磨の豊かな水、盆地特有の寒暖差に育まれた良質な球磨の米を原料に、明治創業以来の石作りの麹室で、麹を手造りしています。
麹は、蒸した米に麹菌を生やしたもので、この麹がつくりだすものによって焼酎の香りと味わいが大きく変わります。
酒造りは、一麹・二酛・三造りといわれます。麹つくりは、酒造りの最も重要な工程であるため、人の手による五感を使った丁寧な麹つくりを磨き続けています。更に、もうひとつの発酵の主役である酵母を、蔵元自身で管理して培養する、自家培養酵母を行っています。
蔵元の出身校東京農業大学醸造科学科の技術協力を受け、当蔵ならではの酵母を使うことにより、独自の香りと味わいをうみだします。
酵母の管理培養も含めて大変手間が掛かりますが、蔵元自身で出来得る最大限を行い、目を届かせる丁寧なつくりが、当蔵の造りへのこだわりです。 -
流通へのこだわり
当蔵元は、平成6年に萬緑を発売して以来、一貫して小売酒販店を対象に特約制による蔵元直送流通を採ってまいりました。
小さい蔵元のお酒が適正な管理がなされ、お客様が手にされる時まで目が行き届きますように、信頼できる特約酒販店に蔵元直送で商品をお届けしています。
蔵元と特約酒販店が協力し、このような販売形態をとることによって、皆様への確かな商品の提供を実現いたしております。
蔵探訪・アクセス
〒868-0408 熊本県球磨郡あさぎり町免田東347番地3
蔵見学はできません。
知らせたい歴史がある
伝えたい想いがある
届けたい味がある
冬の夜、霜の降りそうな寒さに首を縮めながら、仕込み蔵へと急ぎます。ふと足を止めると、凛とした寒さの中に満天の星。
仕込みの慌ただしい日々の中、この抜けるように澄んだ冬の星空は、張りつめた気持ちを少しゆるめてくれます。
また今年も、焼酎造りの季節にいることを感じながら、百年前の初代も同じ星空の下で焼酎造りをしていたのだろうと想い、また今年も、焼酎造りができることを有り難く感じます。
当蔵は創業明治41年(1908年)、球磨のほぼ中央にある あさぎり町で焼酎造りをはじめました。
南国にありながら、寒暖差の大きいこの土地は、酒に欠かせないよい米と、よい水、よい気候がありました。
創業当時の建物が残る蔵の、石つくりの麹室で麹を手づくりすることは変わりませんが、その伝統の中に、独自の自家培養酵母を使い、当蔵ならではの香りと味わいを追求しています。
香りがほどよくあり、味わいがあってもくどくないもの。
時代が移り変わっても、世代をこえて楽しんで頂けるような焼酎を目指して、日々焼酎造りに取り組んでいます。