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「✳︎✳︎01」泡なし酵母

仕込みタンクの中では醪(もろみ)がプツプツと泡立っています。
これは★アルコール発酵★です。
化学式で表すと

アルコール発酵の化学式

アルコール発酵は、酵母が”糖”を”アルコール”と”炭酸ガス”に分解する反応のことです。

糖(=グルコース)
アルコール(=エタノール)
炭酸ガス(=二酸化炭素)

より化学的に文章化すると、グルコース1分子から、エタノール2分子と二酸化炭素2分子ができる、となります。

ここまでついて来られましたか?

これから、やっとタイトルの泡に関係する説明です。
化学反応にあった、炭酸ガスで醪の表面が泡立つのです。

泡の様相は発酵の進み具合によって、筋泡(すじあわ)→水泡(みずあわ)→岩泡(いわあわ)→高泡(たかあわ)→落ち泡(おちあわ)→玉泡(たまあわ)→地(じ)、と変わります。

アルコール発酵に際して、炭酸ガスが発生するのはビール酵母やワイン酵母でも同じですが、大量の泡を形成する「高泡」は清酒酵母特有のものです。

発酵の最盛期にあたる「高泡」は、昔から発酵の進み具合を知る目安になってきました。

もしも泡が溢れると、その分が無駄になるだけではありません。
酵母が泡に付着しているので、泡とともにこぼれたり、泡に付いたままになってしまって、発酵が弱まってしまうのです。
そのために泡消機を使ったり、昔は「泡番」と言って泡消しの不眠の当番を置いたりしました。

かつては泡を抑えるために大変な苦労がありましたが、最近で高泡の出ない酵母が普及して、多くの蔵元で泡番の必要がなくなっています。

泡なし酵母の実用化の研究に、取り組んだのは造り酒屋に生まれ、当時、国税庁醸造試験場に勤務していた秋山裕一博士をリーダーとするプロジェクトチームです。

そして、チームは発見します。
泡あり酵母は気泡の周りに酵母が「整列していた」のに対して、泡なし酵母は「散らばっている」ということを。

こうして1966年に泡なし酵母を選抜し、高泡のない酒造りが実現しました。

泡なし酵母は数億分の1ほどのまれな比率で存在するといわれ、きょうかい7号酵母を始め、様々な酵母で泡なし株が選抜されました。

泡なし酵母の実現によって、現在では大半が高泡を出さない醪になっています。
タンク容量の90%まで醪を入れられ、泡番の必要もなく、発酵が終わったタンクの洗浄作業もしやすいというメリットがあります。

今では、すべてのきょうかい酵母の泡なし株を揃えることができていて、蔵元に頒布している酵母の70〜80%が泡なし酵母です。

表示方法ですが、泡なし株は「01」が付けられます。
たとえば、「K701」とあれば、きょうかい7号酵母の泡なし酵母と言う意味です。

「ただし、泡なし酵母を使った場合は、発酵の進み具合を知るためには、醪から試料を採取してすぐに分析しなければなりません。
やはり泡の状態で発酵の具合を確かめたいと言う蔵元は、泡あり酵母を買って行きますね」
(公益財団法人 日本醸造協会会長石川正明氏)

さぁ、これで蔵元さんに伺って「酵母は何を使われてますか?」なんて質問が出来そうですね。

学びの手引書『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』 きょうかい酵母の表

今日はちょっと長かったですね。お疲れ様でした。

《学びの手引書》

『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』
(和田 美代子著)

  • 発売日:2015年09月18日頃
  • 著者/編集:和田 美代子、高橋 俊成
  • レーベル:ブルーバックス
  • 出版社:講談社
  • 発行形態:新書
  • ISBN:9784062579353

『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』

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『丁稚のつぶやき』を担当しております「ものがたり酒店」のMYです。
週1ペースでお店に出没しています。

仕事は力仕事注1頭脳労働注2接客注3です。

注1腰痛が悪化しない程度に
注2お酒を飲みながら在宅で
注3積極的に試飲にお付き合い

なお、MYは「永世丁稚」の称号を大旦那様より賜った筈だ⁉と主張していることを申し添えます。