『塩をつまみに』
2014年3月発表の国税庁『酒のしおり』によると、都道府県別の成人一人当たり日本酒消費量トップは新潟県です。
<中略>
そんな、酒どころ、米どころ、のJR新潟駅近くとJR越後湯沢駅構内にある「ぽんしゅ館」には県内全93酒蔵の代表銘柄が勢ぞろいし、国内外から集められた粗塩をひと舐めしながら、きき酒もできるようになっています。
枡の縁や平皿に粗塩を添えて日本酒を出す老舗もあります。
器の縁に塩というと、カクテルのソルティードッグを思い浮かべるかもしれませんが、昔から塩や味噌は日本酒の素朴なつまみでした。
日本酒には「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」が含まれていますが、「塩味」はごくわずか。
個人の好みにもよりますが、適度な塩味を加えると日本酒の味わいを引き立てるようです。
ほんの少しの塩を口に含んでちびちびと酒を飲むと、また違った風味を楽しめます。
御神酒とともに塩と米が供えられてきたことからもうかがえるように、ずっと昔「酒の菜」(菜=おかず)といえば「塩」と「ご飯」だったそうです。
《学びの手引書》
『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』
(和田 美代子著)
- 発売日:2015年09月18日頃
- 著者/編集:和田 美代子、高橋 俊成
- レーベル:ブルーバックス
- 出版社:講談社
- 発行形態:新書
- ISBN:9784062579353