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『山卸と山廃』

『山卸と山廃』

江戸時代から続く伝統的な生酛造りでは、独特の「山卸」作業を行います。
この作業行わない「生酛系」の酒造りを「山廃」と呼びます。この言葉は、よくラベル表示でご覧になっていると思います。

復習ですが「生酛系」の造り方は「生酛」と「山廃」の2種類、先週の投稿でもご紹介した通りです。

「山廃」とは「山廃廃止酛(やまはいはいしもと)」の略。麹(こうじ)の酵素がしみ出した液を、蒸し米に何度も掛ける「酌み掛け」をして麹の力だけで蒸し米を溶かす方法です。

さて、「生酛」の作り方。
1つの半切り桶に2~3人が1組になり、蕪櫂(かぶらいかい)で根気よくすりつぶすので「酛擦り(もとすり)」とも呼ばれる山卸では、全員で「酛擦り歌☆」を歌ってリズムと息を合わせ、何番まで歌うかで作業の時間を決めていました。

酛擦り歌

生酛造りで大変な「山卸」作業を行うのは、雑菌汚染の温床となる水や空気の溜まりをなくし、物料を均一化することが目的です。

《大七酒造・社長太田英晴氏のお話》

『大蔵技官の鹿又親先生が後年の著書「工業酒造の確立」(1937年)を読むと、摺り酛(生酛)は今日行われている、酛取り法のうちで、最も学理的でしかも合理的な酒母育成法であることを知ったと書かれており、少なくとも最終的には先生は生酛を最も評価しておられたようです』

《高橋俊成氏》

『半切り桶は乳酸菌の棲みかにもなっているため、安定して乳酸菌を増殖させようとすると、やはり山廃酛より生酛の方が適しているのではないでしょうか』

《追記》

『山廃の考案』

1909(明治42)年に醸造試験場(現、独立行政法人酒類総合研究所)の嘉儀金一郎技師が、山卸作業をしなくても、麹(こうじ)の酵素の力だけで米を溶かせることを明らかにしました。
辛い作業が続く山卸を廃止した「山廃酛」が考案されました。

ちなみに、生酛系である山廃酛が開発された同年、速醸酛が誕生しています。

学びの手引書

『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』

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(和田 美代子著)

  • 発売日:2015年09月18日頃
  • 著者/編集:和田 美代子、高橋 俊成
  • レーベル:ブルーバックス
  • 出版社:講談社
  • 発行形態:新書
  • ページ数:320p
  • ISBN:9784062579353

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『丁稚のつぶやき』を担当しております「ものがたり酒店」のMYです。
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