港区芝で日本酒と焼酎の販売、お酒と一緒に雑貨や本を売っています。

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『生酛』とは(2)

生酛(きもと)の理解には、速醸酛との対比が役立つと思います。

5項目に分けてご説明します。

  1. 原材料

    生酛→米・米麹・水

    速醸→米・米麹・水・乳酸菌

  2. 酒母の種類

    生酛→生酛、山廃酛

    速醸→速醸酛、高温糖化酛

  3. 乳酸☆

    生酛→天然の乳酸菌が生成される

    速醸→市販の乳酸を添加する

    ☆雑菌の発生抑止に必須

  4. 製造日数

    生酛→20〜30日

    速醸→7〜15日

  5. 仕込み温度

    生酛→7℃前後

    速醸→18〜20℃

要するに、生酛は乳酸が自然発生させる、速醸酛は乳酸を人工的に添加する。
ここが一番重要なところです。

学びの手引書

『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』

  • 著者/編集:和田 美代子、高橋 俊成
  • 講談社 ブルーバックス 新書
  • ISBN:9784062579353
  • 発売日:2015年09月18日頃

『日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技』

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『丁稚のつぶやき』を担当しております「ものがたり酒店」のMYです。
週1ペースでお店に出没しています。

仕事は力仕事注1頭脳労働注2接客注3です。

注1腰痛が悪化しない程度に
注2お酒を飲みながら在宅で
注3積極的に試飲にお付き合い

なお、MYは「永世丁稚」の称号を大旦那様より賜った筈だ⁉と主張していることを申し添えます。

以下、お時間のある方はお読み下さい。

ブルーバックスらしい、科学的な記述からのご紹介です。
少し長くなりますが引用致します。

「半切り桶に棲みつく乳酸菌」(P155-156)

生酛造りが確立した江戸時代から手掛け、現在も全生産量の約40%をこの伝統的な方法で醸している菊正宗酒造では、約20年にわたって毎年、酒蔵の生酛から乳酸菌を分離し、保存してきました。

菊正宗嘉宝蔵はコンクリート造りですが、生酛を製造するための酒用具はいまだに木製のものを使用しています。

例えば、今まではステンレスが一般的となった半切り桶や暖気樽などがそうです。

これらの木製の酒造用具に乳酸菌が潜んでいるのではないかと考え、酒造用具の木と木の継ぎ目部分を擦り取って微生物がいるか調べたところ、乳酸菌がいることがわかりました。

そこでこの乳酸菌と、それまでに保存してきた乳酸菌の遺伝的関連性を調べてみたのです。

その結果、半切り桶より分離した球菌のDNAパターンが20年前から保存してきた菌と同一か近縁であることが実証されました。
一方、桿菌は毎年違うタイプのDNAが検出されています。

桿菌は、米麹などの原材料を介して、毎年、多様な菌株が生育するものと推察されます。

球菌は、蔵の中に安定した棲息場所がある、いわば『蔵付き乳酸菌』ではないかと考えられます。
半切り桶は仕込みが終わるごとに熱湯殺菌してよく乾かしているので、乳酸菌も含めて菌類が棲みつくことはないはずです。
しかし木目の隙間にうまいこと入り込んでいるのでしょう。