ひやおろし
「ひやおろし」は夏をひんやりとした蔵で熟成、秋に目覚める。穏やかで落ち着いた香り、円やかな味わいは、豊穣の秋に相応しい。
丁稚は五十路を過ぎて「ひやおろし」を知りました。その奥深さに触れ、日本人で良かったとしみじみ思いました。
通常、日本酒は「火入れ」を2回行います。
「発酵を止め・風味を悪くする微生物を殺菌・香味を保つため」の低温加熱殺菌手法。
江戸時代に生まれた日本初の素晴らしい技術です
最初に貯蔵前の「火入れ」をするのは、安定して熟成させるため。冷蔵技術の発達した現在では、「火入れ」せず生で低温貯蔵することも可能です。しかし、それでは熟成が進まず、秋に旨味が増しません
「ひやおろし」は二度目の「火入れ」をしません。
理由は、熟成が進んだ酒の繊細な香りや味わいのバランスを加熱により壊さないためです。
秋の酒として珍重されてきました。
「ひやおろし」は醸造年度★を越して出荷するという意味で、本来は古酒と区分されるが、慣行的に新酒として扱われます。
★日本酒は、7月〜翌年6月が醸造年度。
日本酒は牛乳と同じく、新鮮さが命。生酒はもちろんだが、火入れをしてある酒であっても、原則的には出荷後は早く飲んだ方が良いと言われている。
生新酒では、搾りの日から三週間迄の間が一番生新酒のフレッシュな味を楽しめる。
ただ、生新酒は直ぐに劣化が始まるため、この期間を逃した場合は成熟の味が劣化を上回るまで待つ必要がある。
《現代人の裏技》
酒にもよりますが、冷蔵庫で6ヶ月前後、眠らせると華麗に変身するものもある。
皆さんもお試しアレ。🙇